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鉄が癌細胞を破壊する

2022/04/11

正常細胞に比べ、なぜ癌細胞が鉄分に富んでいるか、長い間謎でした。

近年新しい発見がありました。

生体は癌細胞に鉄を取り込み、活性酸素を増やして、

自分の癌細胞をやっつけようとしているようなのです。

鉄が癌細胞を死に追いやるので、フェロトーシス(鉄依存細胞死)と呼びます。

 

 新著「がんで死なない最強の方法」の140~141ページにありますように、

癌細胞は鉄分を貯めこみ、ビタミンC点滴によって細胞外に発生した

H2O2(過酸化水素)が癌細胞に侵入して、

癌細胞内の増加した鉄と反応して、より活性酸素を増やして(活性酸素増大)、

癌細胞のDNAを損傷します(図1

すなわち、癌細胞の鉄分が多ければ多いほど、

癌細胞内により多くの活性酸素が作られ、より癌細胞を破壊します。

フェロトーシスを応用した抗がん剤が研究され始めました。

実は超高濃度ビタミンC点滴療法はフェロトーシスを応用した癌医療なのです。

 

 そで当院では、癌でビタミンC点滴を受けている人の血液検査を行い、

癌細胞中の鉄濃度の推定をします。もし血清鉄や貯蔵鉄などのマーカーが低ければ、

鉄剤を飲んで頂いて、癌細胞中の鉄分を増やし、ビタミンC点滴の癌細胞への破壊力を強めます。

鉄の服用は血液検査が正常化するまで継続します。

 

 この方法は、ビタミンC点滴の量や回数を増やさなくても、

より高い抗癌効果が期待できます。

使う鉄剤は、医療用の鉄剤(非ヘム鉄)だと胃腸などに

副作用が出やすいので、ヘム鉄といって動物由来のサプリメントを用います。

副作用はほとんどなく、安心です。

貯蔵鉄が満タンになれば、服用をやめます。

ご希望の方はぜひ、診察へお入りください

 

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